コンセプト

髪と魂

頭上に育つという理由から、多くの伝統的社会にて髪の毛は魂の中心、もしくは魂の一部分と認識されていました。
そのことから新生児が産まれたらまず頭部を整える事や初めての散髪はとても大切な事とされていました。

頭部が整われたら、もう子供の魂が離れる事がないと信じる人々もいます。
またいくつかの文化では初めての散髪の際に新生児に名前を与えて、そこで初めて人として認識されていました。

出生時に生えていた髪の毛を切るという事は、赤ちゃんが生きる力を与えてくれていた母親から独立して、一人の人間として自立するという事です。
新生児の髪の毛を大切に保管しておくのも、この生存力の自立を記憶しておく為ではないでしょうか。
世界の歴史の中で、髪の毛に付与された幾多の象徴的な意味は美容技術に大きな影響を及ぼしました。
そこで誰かの頭髪を整えるという事は、とても大切な行為であると思われます。
誰かの髪を梳かしてあげるのは、その人に対する関心の表現や歓迎の意思ではないでしょうか。
そしてそれと同様に誰かに自分の髪の理髪を任せるという事は、愛や信頼、そして親近感を感じている証でしょう。
長い間髪を梳かしてあげると、気持ちを静めさせ、ゆっくりと眠りに導いてくれます。
多くの国で櫛に関わる童話がたくさん存在するのはその為ではないでしょうか。

髪の毛に対する関心はありとあらゆる所に表れています。
外見だけを見ても、幾多の要素を象徴しています。
髪の毛を通じて社会階層、性別、民族や宗教などのグループを表すができます。
(若者か老人、アクティブ派か文学派、正統派かアウトサイダー、無宗教か宗教家　など)
ヘアースタイルと美容技術を通じて文化の交流や人種の交流がもたらされる事もあります。
(アフリカの方へのストレート技術や西洋人のアフロスタイルなど)

髪に関するこれらすべての事は、外見的な美を評価する要素であるだけではないでしょう。
すべての美容は流行を構成するだけでなく、さらに文化を理解する大切な要素になります。